信州・上田市に、松茸料理を食べに行ったのがきっかけで
「せっかくだから温泉にも寄っていこうか」
そんな軽い気持ちで、別所温泉へ足を伸ばしたんです。
「北向観音っていうお寺があるよ」——
その一言に誘われて、ふらりと立ち寄っただけのはずが、
そこには思いがけない“特別な時間”が待っていました。
聖観世音菩薩さまが1200年ぶりに、愛染明王さまが64年ぶりに開かれるという
歴史の中でも初めての同時ご開帳の年。
偶然この日に訪れたことが、まるで導かれていたように感じられました。
今回は、そんな奇跡のご開帳で感じた“心のやすらぎ”と、
北向観音・別所温泉の静かな魅力をお届けします。
行こうかどうか迷っているあなたの参考になったらうれしいです。
北向観音ご開帳2025とは?
長野県上田市・別所温泉にある「北向観音(きたむきかんのん)」は、
全国でも珍しい“北を向いた観音様”として知られています。

南向きの善光寺(長野市)と向かい合うように建てられており、
善光寺が「来世のご利益」、北向観音が「現世のご利益」を司るとされ、
そのため、昔から「両参り」をすると功徳が倍になると信じられてきました。
そして今年(2025年)は、
歴史上でも初めての聖観世音菩薩さまと愛染明王さまの”同時ご開帳”の年なんだそうです。
千年以上も守られてきた秘仏が、こうして一般に開かれる機会は本当に貴重。
境内には御開帳中、本堂前には「回向柱(えこうばしら)」が建てられ、
柱は本尊の御手と五色の「善の綱」で結ばれています。
参拝者がこの柱に触れることで、直接本尊と結縁になるご利益を授かるとされています。

実際に現地を訪れると、観音様のやさしい空気に包まれて、
目に見えない何かに「ようこそ」と迎えられているような、不思議な安心感に包まれました。
2つのご本尊|聖観世音菩薩と愛染明王のご利益
北向観音のご本尊は、”聖観世音菩薩”(しょうかんぜおんぼさつ)さま。
優しいまなざしで人々を包み込み、悩みや苦しみを受け止めてくださる“慈悲の象徴”といわれています。
その聖観音菩薩さまが、今回約1200年ぶりにお姿を見せてくださるのだそうです。
千年以上ものあいだ静かに祀られてきた秘仏が、私達が生きているこの時代に開かれる——それだけで胸が熱くなりました。
実際に見た”聖観世音菩薩”さまは、金色に輝き荘厳で、心がじんと暖かくなるような感覚がしました。
そしてもうひとつ、”愛染明王”(あいぜんみょうおう)さまも64年ぶりにご開帳。
愛染明王は、煩悩や愛する気持ちを“悟りの力”へと変えてくれる仏様で、
良縁や夫婦円満、愛情のご縁を結ぶご利益があるんだそうです。
北向観音の境内には「愛染かつら」という大きな木があり、
2本の桂が途中でひとつに結ばれていることから、
縁結びの象徴として大切にされてきました。

聖観世音菩薩と愛染明王。
慈悲と愛の象徴であるお二人が同時にお姿を見せてくださるのは、
本当に奇跡のようなこと。
それぞれの前で手を合わせていると、
どんな想いも受け入れてもらえるようなやさしい安心感に包まれました。
🌸 ご開帳の見どころと体験レポ
境内に入ると、空気が少しひんやりとしていて、どこからかお香の香りがふわっと漂ってきました。

階段を上るたびに、ざわめきが遠ざかり、静けさの中に太鼓の音が小さく響いていました。
ご開帳の象徴ともいえるのが、ご本尊と繋がる「回向柱(えこうばしら)」。
本堂の外、参道のちょうど真ん中あたりに立っていて、
お参りを終えたあとに触れさせてもらいました。

この柱に触れることは、「観音様と手を握ったのと同じことになる」といわれています。
手のひらをそっと当てると、木の温もりが伝わってきて、
じんわりと心の奥まであたたかくなるような感覚がありました。

そのあと、御朱印をいただいたのですが、受け取るとき、寺の方が
「ようこそお越しくださいました」とやさしく声をかけてくださいました。
その一言に胸がじんわりとあたたかくなって、
まるで観音様に直接迎えてもらったような気持ちになったんですよね。

振り返ると、秋の陽ざしが本堂を包み込んでいて、屋根が金色に輝いて見えました。
あの日の光景は、今でも心の中にやさしく残っています。
北向観音と善光寺のつながり
北向観音は、その名のとおり北を向いた観音様。
実は、これはとても珍しいことなんだそうです。
多くのお寺では南向きに本堂が建てられていますが、
北向観音だけは北の方向、長野市の善光寺に向かって建てられています。
善光寺は「来世のご利益」、北向観音は「現世のご利益」を司るといわれ、
昔から両参りをすると功徳が倍になると伝えられてきました。
ちなみに善光寺の“来世のご利益”というのは、
決して「死んだあとの世界」だけを指すのではなく、
「これからの人生」や「次の自分をより良く生きるための導き」
という意味もあるそうです。(少しホッとしました笑)
善光寺と北向観音、距離にしておよそ60kmほど。
どちらも参拝することで
“今の自分”と“これからの自分”を整える。
そんなやさしいつながりが、この二つのお寺にはあるのかもしれません。
参拝を終えてから境内を歩いていたとき、
ふと風が頬をなでて、

「善光寺にもいつかおいで」と言われたような気がしました。
実は北向観音は、善光寺と対になっている観音さま。
どちらか片方だけをお参りすることを“片参り”と呼び、
昔から「両方お参りしてこそ願いが叶う」と伝えられています。
今回は北向観音だけでしたが、
次は善光寺にもお参りしてみようと思います。
どちらか片方だけではなく、両方をお参りすることで“今”と”これから”の自分を整える。
北向観音で感じたやさしさは、
そんな静かなメッセージを届けてくれているようでした。
参拝のしめに引いたおみくじ
最後に、おみくじも引いてみました。
結果は——吉。

おみくじには、
「宝石のような才能も、磨かずにいれば光らない」とありました。
いまは地道な時期でも、こつこつ続けていけば必ず光が届く——
焦らなくていいよ。あなたの努力はちゃんと誰かの光になるからね。
今の自分にぴったりのメッセージのように感じました。
手のひらの中の小さな紙切れなのに、
そこに込められた言葉が、ふしぎと心を支えてくれる気がします。
🍃 別所温泉でひと息。参拝後の小さな幸せ
参拝を終えて境内を出たあと、
ふと目に入ったのが、参道沿いのジェラート屋さん。

私は小布施の栗ジェラート、友人はいちごのジェラートをそれぞれ選び
外のベンチに座って2人で食べました。
ほくほくとした栗の甘みが口いっぱいに広がって、
参拝の余韻と一緒にやさしく溶けていきました。

少し冷たい風が頬を撫でて、秋の空はどこまでも澄んでいて——
なんでもないその時間が、本当にしあわせな時間でした。
🌸 まとめ|1200年ぶりの奇跡と心のやすらぎ
松茸料理を食べに行った帰りに、
なんとなく立ち寄っただけのはずだった北向観音。
けれど、そこには想像以上の“静かな奇跡”がありました。
聖観世音菩薩さま、愛染明王さま、
そして参拝に訪れた人たちの祈りが重なり合うような空間。
回向柱に触れたときのあたたかさや、
「ようこそお越しくださいました」という一言が、
今も心の奥に残っています。
偶然のようでいて、きっと必然だった一日。
そのやさしい時間を過ごしたあと、
「今度は善光寺にも行ってみたいな」と心から思いました。
📍 北向観音 ご開帳2025 開催概要
| 項目 | 内容 |
| 期間 | 2025年10月11日(土)~11月9日(日) |
| 時間 | 9:00~16:00 |
| 場所 | 北向観音(長野県上田市別所温泉1656) |
| 拝観料 | 一般1,000円/小学生以下500円/未就学 |
🌿北向観音について、気になったことを調べてみました🌿
Q1. 北向観音ってどんなところ?
A. 長野県上田市・別所温泉にある歴史ある観音さまです。「現世の幸福」を願う場所として知られ、境内には愛染かつらなど縁結びの象徴もあります。
Q2. 北向観音はなぜ北を向いているの?
A. 善光寺(南向き)と向き合うように北を向いて建てられているためです。現世と来世、どちらの幸福も祈るため、片参りでもいいのですが、両方お参りするとより願いが叶うといわれています。
Q3. 北向観音へのアクセスは?
A. 上田駅から車で約25分。別所温泉駅からは徒歩7〜8分ほどです。周辺には無料駐車場もあります。(私達が行った御開帳期間は、駐車料金は500円でした。)
Q4. 北向観音のご利益は?
A. “現世の幸福”をもたらすといわれ、健康、良縁、夫婦円満などにご利益があると伝えられています。
Q5. 善光寺と北向観音の順番は?
A. 本来は「善光寺(来世の幸福)→北向観音(現世の幸福)」の順が良いという説もありますが、「現世→来世」と逆にお参りしても問題ありません。順番よりも、心を込めて手を合わせることがいちばん大切です。
Q5.御開帳の期間は?
A. 2025年10月11日(土)から2025年11月9日(日)まで。迷ってるなら是非行ってください!
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
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