息子が親になって気づいた25年前の絵本の話|50代の親子関係

久しぶりに息子から届いたLINE。

そこに書かれていたのは、

私が25年前に泣きながら読んでいた、一冊の絵本のことでした。

目次

「ママが毎回泣いてた本は?」息子からのLINEで止まった指先

ある日の夕方でした。

生後6ヶ月の孫が絵本が好きで、

お嫁さんが読み聞かせをしてくれているそうです。


その流れで、息子からLINEがきました。

「子どもの頃に読んでた絵本とか、ある?」

そして続けて、

「毎回泣いてた、魚の本は?」


その一文を見たとき、

思わずスマホを持つ手が止まりました。


覚えていたのは、物語の細かい内容じゃなくて、

“毎回泣いていたママ”のほうだったんですね。

25年越しに見つけた、記憶の中の「青い海」

「その本って、家にある?」

そう聞かれたけれど、

あの本”は、当時図書館で借りた本で、

家にはありませんでした。


でも不思議なことに、

25年も前なのに、タイトルだけは覚えていたんです。

『泣かないで』

それと、くじらと小さな魚の、うっすらとした物語。

それだけ。

何年も前、たしか10年近く前にも、

一度この本を探したことがありました。

でも見つからなかった。

検索しても出てこなくて、

「あれは夢だったのかな」と思うくらい。


それが今回、

アマゾンでようやく見つけることができたんです。


中古だったけれど

思わず注文しました。


注文したいちばんの理由は、息子に渡すため。

でもそれだけじゃありませんでした。


もう一度、

あのとき泣いていた自分に会ってみたかったのかもしれません。

25年前の自分に、もう一度会いに行く

届いたとき、すぐにはひらけませんでした。


25年前、

小さな子どもたちに読み聞かせながら、

私は毎回ポロポロ泣いていました。


また切なくて悲しい気持ちになるんじゃないかと

こわかったんですよね。


でも、そっとページをめくると

そこは幸せな海でした。

くじらのルウと小魚のヒューが、ただ一緒にいる時間。

ああ、こんな始まりだったんだ。


記憶の中では、

悲しい場面ばかりが強く残っていたけれど、

ちゃんと幸せな時間があった。


そして物語は進みます。

「僕をおいて南の海に行ってよルウ」

それでも行かないルウ。

食べ物がなくなり、痩せていくルウ。

それでも、離れられないふたり。

最後に、自分からルウの口の中へ飛び込んでいくヒュー。

大好きな友達のために。

でも、ちっとも怖くない。

泣き虫だった私から、親になった息子へ

25年前は、

ただただ切なくて、

涙が止まりませんでした。


でも今は――

やっぱり泣けたけれど、

昔ほどではありませんでした。

少しあったかい涙でした。


いろいろ経験して、

それも人生なんだと受け止められるようになったのかもしれません。

絵本『泣かないで』がつなぐ、25年越しのバトン

あの頃は、

小さな息子の前で泣いている自分が

少し恥ずかしかったけれど、

あの涙は、ちゃんと残っていた。


今度は私が、この本を息子に渡します。

何も言わずに。


「泣いた」とも言わないし、

「泣かなかったよ」とも言わない。

息子も

きっと今なら、

ヒューの気持ちが少しわかるかもしれない。

親になった今、

誰かを守りたいと思う気持ちや、

離れたくないと思う気持ちが、

違う形で胸に届くかもしれません。


わかってくれたら嬉しいな。

でも、わからなくてもいい。

ただ、この本が

また誰かの心をあたためてくれたら、それで十分です。


25年ぶりに開いたあの海は、

やっぱり青くて、やさしかった。

そして私は、

あの頃よりも少しだけ、強くなっていました。


息子が小さかった頃

私が泣きながら読んでいた本を、

今度は息子が自分の子に読む。

そんな日が来るなんて、

あの頃の私は想像もしていませんでした。


紹介した本:

『泣かないで — 心の海に生きるとき』

(作:藤枝牧子 絵:斉藤茂代)

絶版になっていることもあるようですが、中古などで見つかるかもしれません。

大切な誰かと読んでほしい一冊です。

あとがき

実は、そんな息子にLINEをブロックされていた時期もありました。

親子として、

ぶつかり合い、距離ができてしまった時間。

でも、だからこそ。

「毎回泣いてた本は?」

という彼からのLINEが届いたとき、

心がじんわりと熱くなりました。


あの頃の涙も、

離れていた時間も、

全部ひっくるめて「今」に繋がっている。

そんな風に思える今日この頃です。

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