【きゅんパス日帰り】心配性な私が温泉と美術館だけで120%満たされた、50代ひとり秋田旅(前編)

「大丈夫。ひとりで秋田まで来られた。」

新幹線の窓の外に広がる銀世界を見ながら、私は心の中でそうつぶやいていました。

JR東日本の「きゅんパス」を使って、東京方面から秋田へ日帰りひとり旅。

少し前まで、「本当に行けるかな」「無駄遣いじゃないかな」と迷っていたのに、

気づけば胸の奥はじんわり満たされていました。

今回のメインは、温泉と美術館。

そこに、比内地鶏の親子丼ときりたんぽという“ごほうび”を少しだけ。

観光地をいくつも回るわけでもなく、話題のスポットを制覇するわけでもない。

結果は——120%の大満足。

でも、その朝の私は、

まだ不安でいっぱいでした。


この記事では、50代の私がきゅんパスで行った

“詰め込まない秋田日帰り旅”のリアルを、

かかった費用も含めて正直に書いていきます。

ひとり旅がちょっと不安な方の背中を、そっと押せたらうれしいです。

目次

不安から始まった出発の朝

目覚ましが鳴ったのは朝の5:20

前日はバイトで、布団に入ったのが12:30

不安でしたが

ちゃんと起きられたことに、まずひと安心。

まだ外は暗くて、空気も冷たい。

少しだけ春の気配を感じながら、ジャックの散歩へ。


「本当に行けるかな」

「乗り遅れたらどうしよう」

心配性の私は、いつもよりかなり早めに家を出ました。


大宮駅に到着。

駅のホームには人がまばらで、まだ一日が始まる前の静かな空気が流れています。

イヤホンから流したのは、

マイア・ヒラサワの「Boom!」。

東日本大震災の日に開業した九州新幹線のCMで流れた、あの曲です。

明るくて軽やかなメロディなのに、どこか胸の奥に残る。

その曲を聴きながら、

「私は今、東北に向かってるんだ」

そう思ったら、じわっとワクワクしてきました。

雪の東北へ向かう朝に、

この曲がなぜかぴったりな気がしたんです。

盛岡でこまちとはやぶさが切り離し|秋田新幹線の見どころ

9:36、花巻あたりを通過。

遠くの山はうっすら雪化粧。

そして盛岡。


盛岡で、「こまち」は、はやぶさと切り離されます。

連結が外れる瞬間、

車内がほんの少し静かになった気がしました。

さっきまで一緒に走っていたのに、

ここからは別々の道。

なんだか、ちょっとだけさみしい。


秋田方面へ走りはじめると

景色ががらっと変わりました。

さっきまでほとんど雪がなかったのに、

気づいたら一面真っ白。

山も、田んぼも、線路の脇も。

まるで誰かが一瞬で世界を塗り替えたみたい。

スピードもぐっと落ちて、

新幹線なのに、どこかローカル線のよう。


電車の中はあたたかくて、

外は銀世界。

そのコントラストが、なんだか贅沢でした。


動物の足跡が見えたり、

誰もいない白い原っぱが広がっていたり。

いちいち感動して、何度も写真を撮りました。


普段なら「雪=大変」としか思えない。

そこで暮らす人のことを考えたら、軽々しく“好き”なんて言えないのかもしれない。


それでも。

今日の雪は、好き。


速く目的地に着く旅じゃなくて、

ちゃんと景色を味わう旅。

移動からすでに、癒やされていました。


やがて大曲駅(おおまがりえき)。

ここで進行方向が変わる、とアナウンスが流れます。

え、どういうこと?と思っていたら――

本当にバックで走り始めました。

新幹線なのに、後ろ向き。

なんだかちょっと可笑しくて、ひとりでニヤニヤ。


「秋田駅での降り口は右側です」と言われたけれど、

バックで着いたらどっちが右なんだろう?なんて考えたりして(笑)。

(進行方向に対して右、だったみたいで、つまり私の左側のドアが開きました。混乱(笑))

ついた。秋田駅。

バックでゆっくり到着。

ホームに降りた瞬間、

空気が少しひんやりして、

「あ、ほんとに来たんだ」って思いました。

まずは駅名標をパシャリ。

ちゃんと「秋田」って書いてある。

当たり前だけど、ちょっと感動。


改札を抜けると、

いきなり大きななまはげ。

赤と青の迫力。

思ったより大きくて、ちょっと笑ってしまう。

そして――

秋田犬。

思っていたより、ずっと大きい。

でも、ちゃんと可愛い。

どこか“姫感”がある。

提灯もあって、

「ああ、観光地に来たんだな」って実感。

駅って、

その街の“最初の顔”だと思うんだけど、

秋田駅はあったかい木の感じで、

やさしい雰囲気。

駅前も、思っていたより落ち着いていて、

背伸びしていない感じが、なんだかいい。

まずは、温泉に行くためのバス乗り場を確認。

……しようと思って、

ちゃんと案内板も見たのに。

写真、撮り忘れました(笑)

心配性で30分前に着くくせに、

肝心なところを撮らない。

これも私らしい。

でも大丈夫。

秋田駅のバス乗り場はとても分かりやすかったです。

駅前を出ると、すぐロータリー。

案内板も大きく出ているので、迷うことはありません。

迷子になる前に、

帰り道を押さえておくのが、心配性の私流。


まずは親子丼で腹ごしらえ

さて、次は腹ごしらえ。

駅ビル「トピコ」の中にある、

秋田比内地鶏やへ向かいます。

秋田駅に着いたのは11:27。


本当なら、そのままお店に向かえば

一巡目に間に合ったはずでした。

でも私はまず、

温泉へ行くためのバス停チェックへ。


そのおかげで――

親子丼の一巡目には間に合わず。

名前を書いて、

10分ほど待つことに。

ひとり旅は、

こういう小さなロスも含めて

なんだか愛おしいですよね。


究極か、極上か。

究極か、極上か。

メニューを見て、しばらく固まりました。

究極🏅』

極上🥈』

どっちも、強い(笑)

値段も、それなりに…強い。


でも今日は、きゅんパス旅。

交通費で浮いた分を、ここで使う。

「せっかく秋田に来たんだから。」

そう自分に言い訳して、

2000円の『究極』を注文しました。

「秋田に来た」最初の実感

運ばれてきた瞬間、

思わず少し前のめりに。

曲げわっぱの木の器。

つやつやの卵。

ふわっと立ちのぼる湯気

スプーンを入れると、

半熟の卵がとろりと崩れる。

ごはんに絡んで、

比内地鶏の旨みがじわっと広がる。

やわらかい、のに、

ちゃんと弾力がある。

濃すぎないのに、薄くない。

「ああ、ちゃんと美味しい。」

観光地テンションじゃなく、

本気でそう思える味でした。


そして、ちょこんと添えられた

いぶりがっこ。

燻した香りと、ぽりっとした歯ごたえ。

甘めの親子丼のあとにひと口。

これが、いい。

主役は親子丼だけど、

こういう脇役の存在で

旅の食事は完成する気がします。

曲げわっぱに、比内地鶏に、いぶりがっこ。

「あ、秋田にいる。」

そう思えた瞬間でした。

生の金萬、ひとつだけ

温泉へ向かうバスは12:55。

まだ少し時間がある。

駅ビルをぶらぶらしていて、

ふと目に止まったのが

秋田銘菓「金萬」。

箱じゃなくて、ばら売りを選択。

1個、86円。

思わず二度見する値段。

せっかくだから、ひとつだけ。

こういう買い方ができるのも、

ひとり旅のいいところ。


袋から出すと、

ほんのりあたたかい。

ふわっとしたカステラ生地に、

やさしい甘さの白あん。

甘すぎない。

くどくない。

ただ、やさしい。

親子丼で満たされたあとでも、

すっと入る軽さ。

86円で、こんなにほっとするなんて。

秋田って、

味まで穏やかなんだなと思った。

バスの時間まで、あと少し

でももう、

ちゃんと癒されています。


秋田駅西口、12番乗り場へ

西口のバスターミナルへ向かいます。

秋田温泉行きは、12番乗り場。

着いてすぐ確認したので間違いありません(笑)


木でできたバス停が、

(秋田杉なのかな?)

なんともやさしい雰囲気で。

観光地でもない、

ただのバス停なのに、

なんだかほっとする。


行き先を確認して、ベンチに座る。

知らない土地でバスを待つ時間。

少しだけ、緊張。

でも、ちゃんとワクワク。

秋田温泉行きのバスに乗る

バスに乗り込み、Suicaをタッチ。

秋田温泉入口までは380円。

さっき86円の金萬を買って、

なんだか得した気分だったけれど、

ここでもまた、やさしい値段。


地方のバスの空気って、

どうしてこんなに落ち着くんでしょうね。

オレンジ色の手すり。

少し年季の入った座席。

バスがゆっくり動き出す。


ふと周りを見ると、

毛糸の帽子をかぶっている地元のおばあちゃんたち

ベージュや、ワイン色、

くすんだ青。

雪国の冬支度。

なんだか、かわいいなぁ。


観光名所じゃない、

こういう日常の風景に、

じんわり心があたたまります。

一人で知らない土地のバスに乗るのは、

少し勇気がいる。

でも、

だからこそ、地元の日常を感じられるんですよね。

秋田温泉入口に到着

やがて「秋田温泉入口」のアナウンス。

ボタンを押して、

ゆっくり立ち上がる。

バスを降りる。

冷たい空気。

少しだけ、雪の匂い。

さあ、温泉へ。


この先で、

私は思わぬ出会いと、

小さな勇気をもらうことになります。

その続きは、後編で。


今回の旅行では、コンセント一体型のモバイルバッテリーを持ってきました。

バッテリー自体をそのままコンセントに挿して充電できるので、荷物が少なくて助かりました。

→ 私が使っているモバイルバッテリーはこちら

▶︎【後編】秋田温泉プラザと、ひとり旅の小さな勇気

あわせて読みたい
【きゅんパス日帰り】心配性な私が温泉と美術館だけで120%満たされた、50代ひとり秋田旅(後編)― 秋田... 秋田温泉で整えたあとは、美術館の大壁画に圧倒され、カフェの窓辺でひと息。ほんの少し勇気を出した出来事が、思いがけないやさしさにつながりました。癒やされた夜の記録です。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (6件)

コメントする

目次