久慈駅から三陸鉄道リアス線へ|海を目指す旅が始まる
盛岡から「白樺号」に揺られて約3時間。
山並みを越え、白樺の林を抜けて、
ようやくたどり着いた久慈駅。
ここからは、いよいよ三陸の海を走る「三陸鉄道」の旅が始まります。
私たちを待っていたのは、
地元のおじいちゃんとの思いがけない出会いと、
想像を超える景色でした。
久慈駅に到着|JRバス白樺号の余韻と、あたたかい出会い
盛岡から久慈へは、JRバス「白樺号」で雪の高原を越えていきました。
最前列から見た白樺林の景色が、本当に忘れられません。
久慈駅の待合室には、
ストーブが焚かれていて、
外の寒さを忘れさせてくれるような温もりが広がっていました。

そこで声をかけてくれたのが、
病院の帰りだという一人の地元のおじいちゃんでした。
正直、方言が強くて
話の内容はほとんど理解できなかったけれど(笑)、
その柔らかな表情だけで、
歓迎されていることは十分に伝わってきます。
言葉は分からなくても、不思議と心がほどけていく時間でした。
ホームまで案内してくれながら、
「海が見えるのは左側だぞ」
と、身振り手振りで
大事なアドバイスを教えてくれました。
それだけではありません。
階段を一段ずつ、
ゆっくりと登る腰の曲がったおばあちゃんを見つけると、
「頑張れー!」
と大きな声でエールを送り、
おばあちゃんが登りきると、自分のことのように嬉しそうに、
「よく頑張ったなー!」
と声をかけている。
静かな久慈駅のホームにその声だけがやさしく響いていました。
やってきたのは
2両編成の三陸鉄道。

「あんれ、めんずらしいなあ。2両だべ。
観光客でもいるんかなあ」
と、おじいちゃん。
そうです。
今はきゅんパスの時期。
私たちがその観光客です(笑)。
地元の人が驚くようなレアな瞬間に、
私たちはどうやら居合わせているらしい。
地元のおじいちゃんが教えてくれた「海が見える席」
「さあ、乗りなさい」と促されるようにして、
一両目の前側のドアから車内へ。
誰もいない、まっさらな車内。

おじいちゃんに教えてもらった通り、
私たちは三陸鉄道の左側のボックス席に座りました。

ガタン、と小さな衝撃とともに、二両編成の列車が久慈駅を離れます。
窓の外には、もうすぐ
三陸の海が見えてくるはずです。
三陸鉄道は、思っていたよりよりずっと速く走ります。
体感では時速90キロくらい出ているんじゃないかと思うほど。
トンネルを抜け、またトンネルへ。

海が見えたと思ったら、次の瞬間には山の中。
そのリズムが、なんとも心地よいのです。
トンネルを抜けた瞬間、三陸の海が広がる
トンネルを抜けた瞬間、
視界が一気に開けました。

さっきまで山だった景色が、
突然――
バーンと海が広がる。
グレーがかった青い三陸の海。
冬の光を受けて、静かに広がっていました。
この海を見ながら、
ふと、東日本大震災のことを思い出します。
テレビで何度も見た、
あの三陸の海。
今こうして静かに広がっている景色を、
列車の窓から眺めている。
こんなふうに
「きれい」なんて言ってしまっていいのかな。
そんな気持ちも、
少しだけ胸の奥に残りました。
景色を見るために止まる列車|大沢橋梁の絶景
列車は、まず安家川橋梁の上へ。

静かな川と海の景色の中で、
まるで時間がゆっくり流れるように、
1分ほど停車しました。
そしてそのあと、
いよいよ大沢橋梁へ。
目の前に広がるのは、
どこまでも続く三陸の海。
こちらでも再び列車は止まり、
今度は海の景色を、ゆっくりと見せてくれます。

車内は不思議なくらい静かで、
それぞれが窓の外を見つめたり、
写真を撮ったりしています。
「海が見えるのは左側だぞ」
あのおじいちゃんの言葉を思い出しながら、
窓の外に広がる三陸の海を眺めていました。
そして列車が再び動き出したあと、
車内に小さくアナウンスが流れました。
「ただいま、景色をご覧いただくため停車しておりました。」
そんな控えめなひと言が、
この鉄道の優しさのように感じられました。
この三陸鉄道も、東日本大震災で大きな被害を受けた路線です。
それでも、地元の人たちの大切な交通手段として、
驚くほど早く運行が再開されたと聞きました。久慈駅で出会ったおじいちゃんや、
今日この列車に乗っている人たちの生活を、
ずっと支えてくれていた鉄道なんですね。
レトロ列車とのすれ違いと、おじいちゃんとの別れ
やがて列車は、
小さな駅にゆっくりと滑り込みました。
そこで、反対方向から来た
茶色いレトロな観光列車とすれ違います。
丸い灯りがともった車内が、なんともかわいらしくて、
思わず見入ってしまいました。
写真を撮ろうと思ったころには、
もう列車は走り去っていました。
ほんの一瞬の出来事。
でも、その小さなすれ違いも
この旅の思い出になりました。

そしてその駅で、
あのおじいちゃんは降りていきました。
出口に向かう後ろ姿。
「ありがとう」と言いたかったのに。
列車はすぐに発車してしまうので、
降りる時間はほんのわずかです。
その言葉を伝える前に、
おじいちゃんの姿は
小さくなっていきました。
列車はまた静かに走り出します。
まとめ|三陸鉄道リアス線の旅は、海と人の記憶になる
そうして列車は、
海沿いの町を抜けながら、
やがて宮古駅へ。

山を越え、海へ。
三陸鉄道の旅は、
心に残る時間になりました。
人の温かさも、景色と同じくらい印象に残っています。

盛岡から久慈へは、JRバス「白樺号」で雪の高原を越えていきました。
最前列から見た白樺林の景色が、本当に忘れられません。
きゅん♥パスで出かけた1泊2日の三陸旅の全体ルートは、
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